紅茶講座 紅茶講座

  • 紅茶でリラックス
  • 紅茶に含まれる主な成分
  • ゴールデンチップとは
  • 紅茶のグレードとは
  • CTC紅茶とは
  • ティーバッグとは
  • ジャンピングとは
  • ティーコジーとは
  • 紅茶にはちみつ?
  • アールグレイとは
  • カフェイン含有量
  • 紅茶の日とは?
  • 紅茶と使用する水の関係
  • 紅茶にレモンを入れると
  • 紅茶で薬を飲んではいけない
  • ゴールデンリングとは
  • クリームダウンとは
  • イギリスが紅茶の国
  • オレンジ・ペコとは
  • ゴールデンルールとは
  • ミルクティーに合う紅茶

紅茶でリラックス


 紅茶に含まれるテアニンと香り成分により、リラックス効果が期待できます。
特に就寝前は、ホットミルクとあわせてミルクティーにすることで、睡眠を
誘う効果と脳をリラックスさせる効果を感じやすくなり、より心を落ち着か
せてくれます。

紅茶に含まれる主な成分


 紅茶には健康効果のある様々な成分が含まれています。
タンニン :殺菌や抗菌作用、活性酸素を抑える効果
カフェイン:目を覚まさせる、疲労回復
テアニン :リラックス効果
フッ素  :虫歯予防、健康な歯を保つ効果
ミネラル :体の調子を整える効果

ゴールデンチップとは


 ニナスのアッサムに多く含まれているゴールデンチップ。
チップとは、茶葉の先端にくるんと丸まった状態で、葉が開いていない芯芽の
こと。表面に白い産毛が密生していますが、葉が成長するにしたがって、白い
産毛は落ちてしまいます。
熟練した職人によって摘まれ、日光の下で4日~7日間しっかりと自然乾燥させ
た芯芽「シルバーチップ」を、製茶工場で発酵したタンニンの成分で着色し、
金色にしたものを「ゴールデンチップ」と言います。

紅茶のグレードとは


 紅茶のグレードとは紅茶自体の品質を示すものではありません。等級という言葉に置き換えるとそうなりますが、
実際は茶葉自体の大きさをしめす記号であるといえます。しかしながら、明確に基準化されているわけではないの
で、解釈はまちまちです。

S スペシャル特別な
F ファイネスト良好な
T ティッピーチップの多い
G ゴールデン黄金の
F フラワリー華々しい
O オレンジオレンジ
P ペコペコ
B ブロークン崩れた
F ファニングス 細かい
D ダストさらに細かい

CTC紅茶とは


 CTCとは( CUT )潰す( TEAR )砕く( CURL )丸める の頭文
字を取った製法で丸い粒上の紅茶。
ティーバッグなどの原料に使う製造工程が省略されており、増産には
向いていますが、高品質の紅茶の製造は難しいとされています。


ティーバッグとは


 ポットで紅茶を淹れるより、計量の必要がなく、茶殻を捨てる手間を
省いた機能的商品。そもそもの始まりは1896年のイギリスでティ
ースプーン1杯分の紅茶をガーゼで包み丸型に仕上げたものが開発さ
れ、その形状からティーエッグやティーボールと呼ばれました。
また、1908年にアメリカの紅茶商であるトーマス・サリバン氏が
得意先に見本を送る際、従来のアルミ缶の代わりに、コストと手間を
省いた絹の小袋に入れたことが評判となりました。これが実用化の始
まりであるとされます。この後にガーゼなどに変わる濾紙が発明され、
形状の工夫などが進み、現在の形に至りました。
ティーバッグ製造機はドイツ製コンスタンタとイタリア製IMAの2種類で
1分間で150~330個の製造が可能に
なりました。

ジャンピングとは


 紅茶をおいしく淹れる条件としてよく取り上げられるのは「ジャンピ
ング」です。これはお湯の中に含まれる空気により、茶葉がポットの
中を上下すること。
かつてイギリスの紅茶研究家ガーバス・ハックスレーが実験によって
示した結果がジャンピングの重要性を示しています。彼が行った実験
は、3つのタンブラーに茶葉を入れ、3種類のお湯を用意。1つ目は
沸騰間近のお湯、2つ目は完全に沸騰したお湯、3つ目は沸騰してし
ばらくたったお湯。それぞれのお湯で抽出実験を行いました。
1つ目のお湯はほとんどの茶葉が表面に浮いてしまい、
しばらくそのままでした。3つ目のお湯はほとんど茶葉が
底に沈んでしまいました。これらとは違い2つ目に注いだお湯は、
茶葉が表面と底に半々に別れ、しばらくすると、対流に乗り、
茶葉が上下しました。つまり2つ目のお湯はその他の2つに比べ
抽出効率がよく、紅茶を入れる上で最適であると考えられました。

ティーコジーとは


 ティーコジーとは抽出した紅茶のポットが冷めないように、保温する
ために被せる「お茶帽子」のこと。紅茶は60℃以下になるとおいしく
感じなくなるとされ、1杯目はともかく、2杯目以降をいかに楽しむ
かというためには非常に重要です。季節にもよりますが、室温15℃
の環境で90℃の紅茶を淹れた際の温度の降下テストをした際、1時
間経過した時点でも79℃の温度を保っていました。実際は着脱を繰
り返すので、ここまでの効果は得られないと考えられますが、通常の
お茶を楽しむ上では効果として充分期待できます。

紅茶にはちみつ?


 紅茶に加える甘味料については、砂糖以外にもいろいろと考えられま
す。最近ではノンカロリーシュガーなども多いですが、古くから蜂蜜
の利用は特に多いです。
蜂蜜を加えるにあたり、懸念されるのは紅茶の水色です。蜂蜜には鉄
分が含まれており、硬水の時と同様、鉄分とタンニンによる結合が起
こり、水色を黒くし、にごったような色合いになってしまいます。紅
茶の水色は味のひとつとされているので、水色を保つためには アカシ
アの蜂蜜を使うと良いでしょう。

アールグレイとは


 1834年にイギリスが派遣した外交使節団の団員が持ち帰った中国
産の特殊な着香茶を、時の宰相グレイ伯爵が愛飲したことからこの名
が付きました。アール=伯爵 から「アールグレイ」は「グレイ伯爵」
を示しています。
後にこの紅茶をジャクソン紅茶に作らせたとされ、本家本元とされる
説もありますが諸説あります。

紅茶とコーヒーのカフェイン含有量について



 100g乾物の状態ではコーヒーより紅茶のほうがカフェインの含有
量が多いです。しかし紅茶は1杯に使用する茶葉が3gであるのに対
し、コーヒーは1杯当たり10g使用します。したがって抽出後の液
中含有量は紅茶よりコーヒーのほうが多いといえます。
※紅茶のカフェイン含有量  2.7%
コーヒー                       1.3%
インスタントコーヒー     0.8%

ミルクティーに合う紅茶とは


 ミルクティーとは、紅茶にミルクを入れ、乳脂肪とタンニンをマッチ
ングさせ、コクとまろやかな味わいを楽しむものです。そのためには
紅茶に含まれるタンニンの含有量が重要となります。しかし紅茶とい
えども、完全に発酵していないもの、あるいはタンニンの含有量が少
ないものもあります。ミルクティー本来の味わいを楽しむためには、
茶葉の選定をする必要があります。特にミルクティーにむく紅茶とし
て、アッサム、アフリカ紅茶、セイロンティー、などが挙げられます。
つまり紅茶の水色が橙色ではなく紅色であり、渋味や苦味が強いもの
が向いているのです。

ゴールデンルールとは...?


イギリスのビクトリア時代の料理研究家、M.I.ビートン夫人の記した家
政書がゴールデンルールの基礎となりました。紅茶を正しく淹れる方法
として記してある内容は(1)ポットのようなものを使い、使う前にポット
を必ず温める (2)茶葉の量を正しく計る(ポットのために+1杯を加える)
(3)完全に沸騰した熱湯を使う (4)茶葉を充分に蒸らすこと

ゴールデンルールは紅茶をおいしく淹れる方法として長い間親しまれて
います。おいしく淹れられるという裏づけとしては、ポットをあらかじ
め温め、完全に沸騰した熱湯を使用することで高温(80℃以上)でしか
浸出しない紅茶の旨味成分であるタンニンを効率よく抽出することが
できるのです。またこのような淹れ方をした場合、熱湯の対流に乗り、
ポットの中で茶葉がジャンピングします。この対流による現象が起こる
ことにより、水より比重の重い紅茶の成分が攪拌され、さらに浸出を
促進するのです。下に浸出成分がたまると飽和状態になり、浸出が鈍くなっ
てしまいます。

オレンジ・ペコとは...?


 オレンジ・ペコとは紅茶の種類ではなく、品質あるいは紅茶のフレーバ
ーとの関係もありません。オレンジの花、果実とも関係なく、オレンジ
=ナッサウ家との関係もありません。
本来の意味は「よく揉んで仕上げられた茶葉のある一定のサイズ(7~
11㎜)を表す」ための記号。
そのいきさつとしては福建省を産地とする「銀針白亳」をオランダ商人
が取引をしてイギリスで売買し、珍しい形から王室でもギフト品として
珍重されました。普段の発音では「インチェンパイハゥ」が一般的です
が、福建省アモイではこれを「ペホー」と訛って発音したことから、イ
ギリス人が「ピコー」とか「ペコ」と聞き取り、ついにはPEKOEと英語化。
19世紀中頃、イギリスの植民地セイロンにて、人気を博していた銀針白亳を
移植したものが、高温と多湿のため、発酵してオレンジ色に変色しました。
これもまた、人気を集め、評判となり、「オレンジ・ペコ」と名づけられました。
この後、茶葉の形状や製造方法が移り変わるにつれ、オレンジ・ペコは一定
サイズの大きさを表す茶葉の形状を示すための記号となったのです。

イギリスが紅茶の国と呼ばれるのは


 17世紀、オランダ商人が中国から茶を輸入するようになり、フランス、
ドイツ、イギリスに広まりました。しかしこのときは緑茶が主でした。
その後、烏龍茶など発酵したものが好まれるようになり、さらに発酵の
進んだ工夫紅茶へと移っていくようになりました。
1657年、あらゆるものに効く薬としてコーヒーハウス( ギャラウェ
イ )で紅茶がイギリスで初めて販売されました。その後、ポルトガルか
ら嫁いだお茶好きのキャサリン妃が当時貴重であった砂糖や茶を持参し、
喫茶の風習が貴族婦人の間で流行しました。
とりわけ、1702年に王位についたアン女王のお茶好きは有名でした。
優雅に銀の茶器セットと中国茶碗を使用し、砂糖を入れて中国茶を飲むという、
東洋に対する憧れ「シノワズリ」が上流階級のシンボルとなっていました。
さらに男の社交場「コーヒーハウス」から、ダンスや音楽を楽しむことができる
「ティーガーデン」が多くなり、喫茶文化が普及していきました。また、
この時紅茶の関税率が引き下げられた上、先駆けて産業革命が起こったことから、
庶民の所得も増加し上流階級を真似る(スノッビズム)が進行していったことが
紅茶の普及を手伝いました。
19世紀初頭にはジョサイア・スポードにより骨灰磁器(ボーンチャイナ)
が開発され、茶道具一式を国産でそろえることが可能となりました。
19世紀中ごろには当時国民的飲料であった「エール」に代わるものとして
ヴィクトリア女王はじめイギリス国教会などが中心となって紅茶を勧めたことも
普及の一助に。1840年にはベッドフォード公爵夫人が始めたアフタヌーンテ
ィーが社交界で広まり、イギリスの生活文化として定着しました。
1842年、アヘン戦争終結後に拡大する茶の需要に対し、植民地であったスリランカ、
インド、アフリカなどで紅茶の生産に着手しました。現在の紅茶主要生産国は
旧イギリス植民地であった場合が多く、イギリスは生産国としてではなく、
消費国として、紅茶の国といわれるに至っています。

ゴールデンリングとは


 紅茶をカップに注いだ時、茶液の淵がカップの白さと重なって金
色の輪を形成しているように見えます。これをゴールデンリング
といいます。紅茶が正しく抽出され、水色を形成するタンニンが
液中に充分含まれている場合に見ることができます。
ダージリンやヌワラエリヤのような水色の薄い紅茶より、セイロ
ンやアッサムティーなどの方がきれいに見えます。

紅茶で薬を飲んではいけない


 お茶にはタンニンが含まれています。
 タンニンは薬の成分と反応結合し、薬本来の作用を抑制してしま
う場合や、あるいは薬の効能を過剰にしてしまう場合があります。
特に鉄分と結合しやすいため、高血圧や貧血などの鉄分を含む血
液に関する
投薬の際は服用後も、お茶類を摂取することを控えた
ほうが良いでしょう。
また、タンニンは体内の鉄分と結合して、血液を造るために必要
な成分を体の外に排出してしまいます。したがって、貧血の人は
お茶を控えたほうが良いと考えられます。しかし、あらかじめ

脂肪と結合しているミルクティーは乳脂肪に含まれるカゼインとタンニンが
既に結合しているので体への負担が少ないといえます。また、そのものに
鉄分が含まれていないルイボスティーもおすすめです。

クリームダウンとは


 クリームダウンとは、紅茶の温度が下がるにつれ、中に含まれる
タンニンがカフェインと水素結合することにより、凝集した状態
が人の肉眼には白く濁って見えることをいいます。このほか「ミ
ルクダウン」「クリーミング現象」ともいわれます。
業務、喫茶等で提供する際特に嫌われる現象で、見た目にもアイ
スティーの清涼感が損なわれます。
再度温度が上がることによりこの現象は解消され、再び透明な状
態を取り戻すことができます。つまり、少量の熱湯を挿す、ある
いは再加熱することで解決可能です。

紅茶にレモンを入れると


 紅茶にレモンを入れると紅茶液が薄くなります。
 これはレモンのクエン酸によって紅茶のPH値が低くなるためです。
通常の弱軟水で淹れる紅茶はPH値で約5.8程度ですが、レモンの
作用でPH4以下の酸性となります。
一般的に紅茶は酸性になるほど色が薄くなり、アルカリ性になる
ほど色が濃くなる傾向があります。

紅茶と使用する水の関係


 紅茶は軟水を使用して抽出することが望ましいとされています。
 硬水を使用して抽出した場合、水の中に含まれるカルシウムやマ
グネシウムが紅茶の中に含まれるタンニンに結合し、黒色変化し
てしまいます。タンニンが結合することにより味はまろやかにな
りますが、香りや水色は損なわれます。
日本はほぼ全域で軟水であるといえますが、ヨーロッパ諸国では
硬水地域が多いため紅茶のことを英語で「ブラックティー」とい
うのもこのことからといわれています。

『紅茶の日』とは


 伊勢の国の船「神昌丸」の沖船頭、大黒屋光太夫一行16名が1782年12月、
江戸に向けて出帆。 暴風雨に遭遇し、ロシア領であるアムチトカに漂着しました。

10年の歳月をかけ、帰国の許可を得た彼らは、
1791年11月1日女帝エカテリーナ2世の宮廷における茶会に招かれました。
この時初めて日本人が紅茶を飲んだとされています。

このエピソードを元に日本紅茶協会が11月1日を『紅茶の日』と定めました。

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